「おくるみ」とは
「おくるみ」とは赤ちゃんを包む布のことです。産まれたばかりの赤ちゃんは首が据わっていない状態なので、おくるみで包むと抱っこしやすいというメリットがあります。
また、包まれることに赤ちゃんが安心できる要素もあります。お腹の中で赤ちゃんは、手足や腰を折りたたんでぎゅっとくるまった状態でした。外では隔てる物がなくなり、開放感があるかと思いきや、ママのぬくもりや包まれている感覚がなくなり、不安があるようです。

初めてのお外で恐いよー!
上手く眠れないよ😭
またモロー反射といって、少しの刺激で自分の意思とが関係なく身体が動いてしまう原始反射があります。身体が勝手にビクッと動くことに赤ちゃんがびっくりして、起きてしまったり泣いてしまうことがよくあります。おくるみを使用することで、このビクッとする動きが抑えられると安心して眠りにつけるようです。
「おくるみ」を使用するリスク

おくるみのリスクは?
一つ目のリスクは『股関節脱臼』です。股関節は足の付け根の関節のことで、脱臼は外れるという意味です。関節には正しい位置があります。
私達大人の足はまっすぐ下に向いていますが、赤ちゃんはM字に開いていることが正しい位置です。そのため、赤ちゃんをくるむときに膝を伸ばさないこと、両足の自由を奪わないことが大切です。右の写真のように足がクロスしている形がM字開脚の状態です。
乳児の股関節脱臼は遅くとも6ヶ月までに見つけることで、装具によって整復できることが多いそうです。その時期を超えると入院して牽引(けんいん)治療や手術が必要になることがあります。
ただ脱臼しているかどうかは、素人目では分かりませんよね。そのため、3~4ヶ月検診を受けるまでにおくるみを卒業し、股関節の状態を診察してもらうことが良いのではないかなと思います。もちろんこれ以降でも、違和感を感じた時に受診することは大切です。
二つ目が『窒息』です。寝返りをしたり、うつ伏せになったり、おくるみがはだけたりで、口を覆ってしまうことで起こります。苦しくなって泣いてくれれば良いのですが、そうもいきません。静かに、いつの間にか、そうなっていることが恐いのです。
窒息を防ぐために、寝返るような動作をし始めたらおくるみは止めること。おくるみはきつく巻いてもよくないが、簡単に外れないように巻くことです。また、柔らかい寝具で寝かせないことや、添い寝も避けることがベストです。
SIDSの危険はないのか
SIDS(乳幼児突然死症候群)とは、それまで元気だった赤ちゃんが窒息などの事故ではなく、眠っている間に突然、なんの前触れもなく亡くなってしまう病気です。平成11年以降減少していますが、おおよそ6,000~7,000人に1人の赤ちゃんがこの病気で亡くなっていると推測され、そのほとんどが1歳未満で、生後2~6ヶ月頃にもっとも多く発症しています。
リスク減少ポイント!
- 1歳になるまで、あおむけで寝かせる
- できるだけ母乳で育てる
- たばこを止める
- 重ね着をさせすぎない
上記のように、おくるみを使用する場合でもあおむけであることを確認してください。横向きも止めます。また、長時間にわたって使用することも避けた方が良いでしょう。そして、おくるみを使用する場合は洋服を薄めにすることや室温を下げること。発熱しているときは避けたり、過剰に暑くならないように注意が必要です。

いつの間にか亡くなっていることがあるなんて恐い!!
リスクとなるものは、できるだけ避けたいな
私は産後2週間の時に助産師さんの訪問があり、そのときにおくるみの巻き方を教えて頂きました。長時間でなければ、成長の妨げにはならないですし、むしろ安心してくれるのよと教わりました。上記のような注意点を守って、安全に利用できるとお互いにメリットがあって良いですね!
いつまで使用してよいのか
生後3~4ヶ月で首が据わる頃、寝返りを始める頃とされています。しかし、数字はあくまで目安なので、その子の成長に合わせて止めた方がいいでしょう。米国小児科学会では生後2ヶ月と言われており、より厳しめですね。中には生後5ヶ月まで使用した人もいたようです。(早産ならば、私も様子を見て使用しても良いかなと思います。)

私は40週ぴったりで出産しましたが、生後2ヶ月で止めました。
おくるみを一度も使用していない人のいるのかな?
私は最初こそ、一晩中おくるみで寝かせていました。しかし、夜中の寝ぼけた状態でおくるみ巻くのって意外と大変なんですよね。そして、たいていきちんと巻けていなかったり、きちんと巻くことに必死になって、自分が覚醒してしまったり、赤ちゃんもきっと何度もまき直しされるのは不快だったことでしょう。
そのため、0時前くらい(20時・22時)はまだ自分も寝ぼけていないので、授乳したらおくるみで巻いて寝かせ、その後は足だけ簡易的に巻いたり、もう何も巻かなかったりで段々やり方を変えていきました。

早めにやり方を変えたのは、やはりデメリットを考えた時に、窒息やSIDSでいつの間にか亡くなってしまうことの方が恐怖だったからです。赤ちゃんも急にやり方を変えると不安になるようなので、日中はなるべく使わないようにしたり、上記のように頻度を落としたりで変えていきました。そして、スワドルという前をチャックで閉めるタイプの洋服に変更しました。(*右画像)はだけないので窒息もなく、心地よい形で動きを制限できるので、大変便利でした。
また、出産が6月だったので、2ヶ月後は8月の真夏真っ只中でした。さすがに冷房をかけていても、おくるみで巻いていると暑いかなと思い止めましたのも理由の一つです。重ね着させすぎることもSIDSの要因にあります。このように季節の変わり目で卒業する方も多いみたいですよ。
おくるみの巻き方3選
どの巻き方でも、以下のポイントは注意してみてください!
- 胸の部分が指2本入る程度に余裕があること(呼吸の妨げにならないように)
- 足がM字開脚になっており、ある程度動かせること
- おくるみの包み終わりがしっかり背中にあり、はだけないこと
- はだけないよう腕だけでなく肩から包むこと

おくるみの巻き方って一つだけじゃないんだ!
自分の巻きやすい方法はどっちかな?
基本巻き(生後まもなく~2ヶ月)

①おくるみの上の角を中心くらいまで内側に折ります。赤ちゃんの肩を上の折り目と合わせるように寝かせます。

②赤ちゃんの片方の手を胸に置きます。その上から布を被せます。端は身体の下に入れ込みます。下側のおくるみも軽く巻いておきます。※肩の上からかけるようにしてください!

③下側のおくるみを肩まで持っていき、先端を背中の下に入れ込みます。このとき、手は出ている状態です。


④反対の手を胸に置き、左側のおくるみを右側へ巻きます。※このときも肩にかかるように巻きます。


⑤最後に足元の余っている布を背中側に巻きます。足元に、ほどよくゆとりがあることを確認します。
胸元がきつくなっていないか、呼吸が妨げられていないか確認します。
そして、右の写真のように足がM字開脚になっているか、確認してください!

おひな様巻き

①おくるみは四角い状態に広げます。赤ちゃんの頭がおくるみから出るように寝かせます。

②両手を胸に納めて、右上のおくるみを左肩へ持っていきます。このときに首をしめつけないよう注意してください。端を背中へ持っていきます。


③反対側も同様に左上のおくるみを右肩へ持っていきます。


足元はこのように余っている状態です。


④右下のおくるみを斜めに左肩に持っていきます。足はクロスか、足裏が合わさるような形にします。(M字開脚)

余った布は背中側へ巻き入れます。

⑤反対も同様です。

⑥最後に胸がきつくなっていないか、呼吸が妨げられていないか確認します。
半ぐるみ(手足を動かす頃におすすめ)
手足を動かす頃では、上半身を包まない半ぐるみがあります。私は手足を動かすようになる時期には、おくるみをせずに寝かせてあげたいたいなと思ったので実践はしていません。
個人的には動けるということは、はだけやすくもなるのでおくるみ卒業でもよいのかなと思います。
おくるみの種類
サイズ
新生児の身長は約50cm前後です。生後3~4ヶ月頃では60~70cmです。
対しておくるみは70cm×70cmと100cm×100cmがあります。
私は100cmの方を購入しました。正直少し大きくて布が余るので、巻きづらさはありました。でも慣れれば、しっかりと巻けていましたし、小さくて窮屈になるよりかは良かったと思います。
また、他の用途でも使用することもあったので、100cmで私はよかったです。使用方法については、下記の”おすすめな使いどころ”を見てみてください♪
生地の種類
私が購入した時期は6月末でちょうど暑くなってくる頃でした。生地はコットンを選びました。ほどよいふんわり感で心地よかったと思います。
- 夏は、通気性が良く、吸水力があるもの
ex)ガーゼ、薄手のコットン、パイル生地
- 冬は、保温性のあるもの
ex)厚手のコットン、フリース、ポリエステル
- 通年では、パイル、コットン
がおすすめのようです。ちなみにおくるみ卒業のために購入したスワドルでは、モダール90%、ポリエステル10%の割合の生地でした。モダールはシルクのような光沢と肌触りが特徴のようです。実際に使用してみて、確かになめらかで触り心地がよく、薄手なので夏にちょうど良い生地だと実感しました。
吸湿性や放湿性にも優れているので、体温調整が未熟な赤ちゃんにぴったりですね。
デザイン
今は本当に可愛い柄がたくさんありますね。私は小花はちりばめられているのが可愛いなと思い、花の種類を変えて2枚選びました。その後にもクマや小さな♡がポイントのおくるみを購入しました。
使用時期は2~3ヶ月で、小さいうちは男女の区別も付きにくいと思います。そのため我が子は息子ですが、女っぽい・男っぽいは気にせずに自分の好みで選びました。是非、お気に入りを選んでみてくださいね。
おすすめな使いどころ
私は出産前に2枚準備し、出産後にさらに2枚購入しました。その理由は、単純に2枚では洗濯が追いつかなかったこと。そして寝かせるだけではなく、他にも使用用途があったからです。
その他の使用方法についてご紹介します!
授乳ケープ
私は授乳ケープというものを準備していませんでした。基本家にいるだろうな、外出しても授乳スペースがあるところにいけばいいしと思っていたからです。ところが!
実家や義実家で授乳するとき。たまに人が来てしまったりするんですよね。汗
あとは外出中にどうしても授乳スペースがあるところまでに距離があったり、タイミングが合わない時に、コンビニなどで一旦駐車し、おくるみをかけて車の中で授乳していたこともありました。
はじめは授乳ケープ代わりにするつもりはなかったのですが、持ってきておいて良かった~!と心底思いました。
ベビーカーに乗った時の日よけ
ベビーカーにもサンシェードはついていますが、足元まで隠れなかったすることもあります。そんな時に真夏の直射日光を浴びせるのはかわいそうなので、日よけとして利用しました。室内でもショッピングモールやスーパーなど冷房が効きすぎていることがありませんか?そんな時でも、掛け物としておくるみを使用すれば冷えを防ぐことができます。
ニューボーンフォト
私達は、ニューボーンフォトをセルフで撮りました!そのため、小道具や衣装だけレンタルしたのですが、その衣装の一つに自身のおくるみを利用しました。おくるみとして使うのことはもちろん、おくるみを広げて背景の柄としても利用できました!素敵な小花の柄に我が子が包まれており、とっても可愛くて、本当にお気に入りの写真になりました。
検診
検診の時って体重を計測するためにオムツ1枚になるんです。そのときに少しでも寒くないように、計測直前まで包んであげられたことがよかったです。あとは、単純に包まれている我が子。超絶可愛いです。
出産祝い
おくるみは出産祝いとしてもおすすめです。上記で紹介したように、意外にも眠る時の他でも使用用途がたくさんあったんです。なかなか出産準備リストにおくるみを入れている人も多くはないと思うので、被りにくいと思いますし、タオルの要領で何枚あっても助かるかなと思います。名入れができるものもあるので、自身で購入される時には、記念に入れてみるのもいいですね♪
まとめ
とっても便利なおくるみですが、呼吸の妨げや股関節脱臼にならないよう巻き方に注意しましょう。そして、首が据わったり、動き始める時期には段々と使用頻度を減らし、生後3~4ヶ月を目安に卒業しましょう。
生地も薄手・厚手のものや夏向け・冬向けがあるので参考にしてください。迷ったらコットン・パイル生地が通年でおすすめです。
おくるみの使用方法は眠る時だけでなく、授乳ケープ・掛け物・撮影・検診としても使用できます。
今回は私の体験も踏まえて、おくるみを紹介しました。是非、どなたかの参考になれば嬉しいです♪
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